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 女優の宮沢りえさんが10月25日、第27回東京国際映画祭に出品された主演映画「紙の月」(吉田大八監督)の舞台あいさつに登場。宮沢さんは、主人公・梅澤梨花を演じるにあたり、「今までは多少なりともモデルみたいな人がいたけど、今回は初めて自分の中でモデルが見当たらず、こんな危険な道を進む女性を演じ切れるかという不安が大きかった」と、脚本を手にした時の心境を打ち明けながらも、「監督と手探りの状態から始め、最終的にはものすごい熱を帯びた梨花が出来上がった」と、充実した表情を浮かべていた。

 舞台あいさつには吉田監督と俳優の池松壮亮さんも出席した。池松さんは共演した宮沢さんについて「この仕事をやっているとたくさんの女優さんに会いますが、これだけ身も心も……この人、どうなってもいいんだなと思う人を初めて見ました」と語った。吉田監督は「逃げる女性の話。逃げながら大きなものに立ち向かっていく。スケールの大きな表現と繊細な表現が同時に(存在する)という、毎日奇跡が起きているという実感を持ちながらの撮影でした」と振り返った。

 「紙の月」は、直木賞作家の角田光代さんのベストセラー小説を「桐島、部活やめるってよ」の吉田監督が映画化。夫と2人暮らしの平凡な主婦・梨花(宮沢さん)が、年下の大学生・光太と不倫関係になり、ふとしたことをきっかけに契約社員として働く銀行の顧客の金に手を出してしまう。梨花の金銭感覚は次第にまひしていき、横領がエスカレートして……というストーリー。

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