テーマは「体罰の定義」。

「しつけ」と称した虐待事件があとを絶たない。

これは、子育て中の親だけが抱える問題ではなく、社会全体で子どもを守ろう、支援していこう、という取り組みが、少しずつ進んでいる。

2020年4月には、親の体罰を禁止する「改正児童虐待防止法」などが施行される。

これを受け、厚労省は親から子どもへの体罰の定義を、「身体に何らかの苦痛、または不快感を引き起こす行為」と、今回初めて明確に示した。

このガイドラインでは、具体案も挙げられている。

何が体罰になるのか。
例えば、「口で3回注意したけど言うことを聞かないので頬をたたいた」、また、「大切なものにいたずらをしたので長時間正座をさせた」。
こういった手を上げるような行為ばかりではなく、「宿題をしなかったので夕ごはんを与えなかった」。
これは、いずれも体罰にあたるとなっている。

そして、ガイドラインではこういった身体的なものだけではなく、言葉も含まれる。

例えば、「お前なんか生まれてこなければよかったんだ」と、子どもの存在を否定するようなこと。
また、ついやってしまいがちだが、きょうだいを引き合いに出して、ダメ出しや無視をしてしまう。

こういったことも、子どもの心を傷つける行為として、指針案に盛り込まれている。

今回の指針は、あくまでも罰則を与えるようなものではなく、子どもに手を上げてしまった保護者を追い込むためのものではない。

こういったことが、子どもを傷つける行為なんだという認識を喚起して、できるだけ早く相談窓口などへつながるよう促すもの、といったことが狙い。

厚労省は、2019年度内にも取りまとめていく方針。

日本だと、“愛のムチ”というような言葉があるので、どこかで「子どものためを思って」というところに考えてしまいがち。

“愛のムチ”は結局親の都合だけ、ということが、今回の指摘になると思われる。

親にとっては“愛のムチ”のつもりでも、体罰や暴言が実際に子どもの脳に萎縮や変形などの大きな影響を及ぼしてしまうという研究結果がある。

子ども時代に厳格な体罰を受けた18歳から25歳の男女の脳をMRIで解析した調査があり、そうすると、感情や思考をコントロールする「前頭前野」の容積が、平均して19.1%減少してしまうという調査がある。

この「前頭前野」というのは非常に大事なところで、考えること、アイデアを出すこと、感情をコントロールすることなど、人間にとって重要な働きを担う部分。

そのため、幼少期に体罰などを受けてしまうと、人間が人間であるための重要な部分が育たなくなってしまう可能性もある。

(2019/12/04)

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