中学受験に向けて頑張っている小学生は必見、一般教養を高めたい大人の人たちにも使える知識を紹介する。問題と解説は大手進学塾・サピックスの社会科の先生が作成。

12月3日、スウェーデンの環境活動家、16歳のグレタ・トゥンベリさんは、COP25に参加するため温室効果ガスを大量に排出する飛行機の利用を避けてヨットで会場入りした。

そこで、問題。
「温室効果ガスを減らすためには、化石燃料を用いた火力発電の割合を減らすことが必要だとみられますが、現在の日本の火力発電の燃料ごとの発電量を次のア~ウを用いて、多い順に並べ替えなさい」

「ア:石炭 イ:石油 ウ:液化天然ガス」

火力発電の燃料として使っているものを多い順に並べるという問題。

2015年のCOP21で採択されたのが「パリ協定」。

パリ協定は、地球温暖化防止のための国際的な枠組みである「京都議定書」のあとを継ぐものとして、2020年から実施が決まっている。

答えは「ウ」→「ア」→「イ」。
「液化天然ガス」が1番多く、次いで「石炭」、3番目に「石油」となっている。

「石炭」にフォーカスして解説する。

エネルギー資源の少ない日本では、石炭を安く安定して入手できるエネルギー源と位置づけている。

しかし、化石燃料の中で最も多くの二酸化炭素が出るのが石炭。

そのため、石炭火力を燃料とする発電所や工場などを新たに作ったり持ち続けることは国際的に批判されている。

日本が今の状況にどう対処するのか、COP25でも注目された。

小泉環境相は、現地で「残念ながら、日本の石炭火力政策について、きょう新たに皆さんと共有することはできない」と演説。

国際的にはやや失望という演説だった。

これに対して、NGO団体から温暖化対策に後ろ向きだとみなされて、「化石賞」という不名誉な賞を贈られた。

もう1つ、今回、グレタさんが「COPは各国が地球温暖化対策の抜け道を協議する機会になったようだ」と、また辛辣な表現で批判したものがある。

それは、パリ協定の6条。
6条は、今回の議題の1つで、温室効果ガスの削減量を国際的に移したり、取引するルールのこと。

A国の技術や資金のおかげでB国の温室効果ガスの排出量が減ったという場合、削減量はB国だけじゃなく、技術や資金を提供したA国の削減量としても報告できる。

2重にカウントされ、実際の削減量より多く計上されることになる。

これも、先進国、途上国の間の妥協の産物という部分があるわけだが、依然として、なかなか思惑が分かれているということもあり、各国の利害を調整して可能な限り抜け穴のないルールに合意できるかというのが、2020年以降も問われることになる。

(2019/12/13)

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