2017年に約8年間所属していたSKE48を卒業した石田安奈。新たな一歩を踏み出したばかりの彼女に、卒業するまでの心境や、今心新たに思うことなど、転期となった2017年を振り返ってもらった。

──2017年は石田さんにとって大きな転機の年だったと思いますが、改めてどんな年でしたか?

自分の判断で方向性が変わっていった年だなと思いました。SKE48を卒業する時も強硬突破しちゃったところがあって。2016年ぐらいから実は卒業しようかなと思っていたんですけど、行動には移せなかったので、それはまだSKE48にいたいってことなんだなと思ったんです。でも2017年に入ってから、ふと、もう卒業しようって思ったんですね。ちょうどその日、AKB48のコンサートだったので、支配人さんには言ったんですけど、どうしても早く事を進めたくて、自分の口から秋元先生にも言いたかったので、その日に直接ご挨拶に行って、相談に乗っていただいたんです。それから3、4ヶ月後の5月に卒業公演をして卒業をしました。卒業を考えていた頃は、“卒業したら次何しよう?”“どこにいこう?”“芸能活動をやらなくなっちゃうんじゃないか”とか、いろいろ考えたんですけど、その時がきたら意外と何も決めずに卒業をしちゃうものなんですね。でも、そこで周りの方の温かさを感じました。衣装さんや秋元先生が、『次の事務所は決まってるの?』って心配してくださって、それでホリプロを紹介していただいたんです。なので卒業公演の日に発表が間に合って、ファンの方にもいい報告ができたので、周りの方に恵まれているなっていうことを感じた年でした。

──周りの人たちがそんなふうに石田さんのために動いてくれるということは、それまで石田さんがその周りの人達とどう接していたかっていう、その結果だと思いますよ。

本当に嬉しいです。動いてくださった方も、ずっとSKEについてくださっていたわけではなくて、AKBのコンサートがある時にお会いする方達だったり、秋元先生にしてもそれまで二人で話すこともなかったのに見ていてくださって、それが本当に嬉しかったです。やっててよかったなと思いますし、今こうやってホリプロに入って一人でいろんなお仕事をいただいて、刺激をもらっています。あの時に卒業してよかったと思いますし、今ここにいられてよかったなと思っています。

──9月には初の写真集も発売されましたね。

はい。ファンの方もたくさんイベント来てくださって。それがやっぱり心配だったんです。私はファンの方がいるからこそ、今お仕事ができたりイベントができたりしているので、卒業したら握手会がなくなって、イベントもない、コンサートもない、公演もないってことになると、ファンの方と会える機会も本当になくなってしまって。フォトブックをまさか最初に出させてもらえると思ってなかったんですけど、そのイベントでファンの方とまた会えることができたので、それは本当によかったなあと思います。その後もカレンダーを発売したりとか、ネットだったり雑誌だったり、いろいろ見てるよって言っていただけて、すごく嬉しいです。

──これからも、いろんな新しいことを一緒に経験していくんでしょうね。

そうですね。意外と小さいことでも刺激が大きかったりしました。まず東京の街に慣れるのが大変でした(笑)。

──上京、という出来事も大きいですね。

そうなんです。上京したての頃は、仕事がない時は何したらいいんだろう?ってなっていて。友達もいないし、行くところも別にないし、家で何したらいいんだろうってずっと思ってたんです。それで結構実家に帰ったりとかして気持ちをリセットしてたんですけど、今は舞台に出たり、ホリプロのキャラバンの子たちも仲良くしてくださるので、だいぶ慣れてきました。

──東京で好きになった場所はありますか?

上京する前は、東京に来ると渋谷とかに行ってたんですよ、買い物行こう!って。でも今はあんまり行きたくないですね(笑)。まず人が多いことにビックリしました。あと電車。諦めますもん。“なんでそんな頑張っちゃうの?みんな”みたいな。締まるギリギリまで押し込むじゃないですか、サラリーマンの方に対して。女性もここぞとばかりにすごい押し込んで入ったりしてて。もう無理だと思って。

──名古屋もそうじゃないんですか、通勤ラッシュ時とか。

いや、名古屋はそうじゃないですよ。品川駅の通路とかすごいじゃないですか。新幹線で来た時にどうやって横切ろう?って、あれは一つの難関なんですよ。みんな歩くの早いし止まってくれないし。普通にぶつかってくるし、すごいな東京って思って。ちょっと電車が嫌ですね。嫌というか慣れないですね。ちょっと諦めちゃいます。なるべく夕方と朝は時間をずらすようにしてます。終電だってすごいですもんね。名古屋ガラッガラなのに、東京はすごい。みんなギリギリまで飲みたいのかなって(笑)。普通に街で寝てるし。花金ってすごいんだ!って。名古屋の花金はそこまでではないです。ちょっとまだ交通に慣れないです。来年にはだいぶ慣れるように、このギュウギュウの中に入っていけるようになりたいなと思います。

──この時期のお話なんですが(取材は12月上旬)、NHK「紅白歌合戦」の出場者も発表されました。石田さんの紅白の思い出を教えてください。SKE48では3度出場されてますよね。

はい。初めての時はすっごく嬉しかったですね。SKE48って、今やガイシホールや名古屋ドームでコンサートをやってますけど、最初の頃って本当にちっちゃいところでもお客さんが入らなかったり、握手会でもほとんどファンの方がいなかったんですよ。私が初めて入ったシングルの時の握手会で、1時間に3人ぐらいしかファンの方がいない時もありました。それが今、紅白に出たりドームでコンサートしたりだ、幕張メッセで一日中握手会するなんて本当にありえなかったので嬉しい気持ちもありつつ、1回そこを見てしまうと、次の目標は?ってなった時にさらに上があるのか? 紅白の上ってあるのか?って不安になったこともあります。でも、やっぱり思い出としてはすごく嬉しいし、目標が達成できたなっていうのはありましたね。初めて出た時はみんなで号泣してましたもん。

──ご家族も喜んだでしょうね。

すごい喜んでくれました。でも親は複雑だったみたいですよ。年末年始に家にいないから(笑)。お正月家族と過ごすなんて、SKE48に入ってから一回もなかったんですよ。なので今年は久々に一緒に過ごせます。実家に帰ってゆっくりしたいなと思います。

──では、新年を迎えて2018年の目標を聞かせてください。

2018年は“元SKE48”っていうことが少しでも薄れるようになりたいなと思います。タレントでもグラビアでも女優でもコメンテーターでもなんでもいいので、何か一つ自分の強みになるようなものがほしいなって思います。そこから幅を広げていきたいですし、いろんなことに挑戦していきたい。幅広く、引き出し多く、どこにでも転がれるように。まだやり始めたばっかりなのでこれって決めることはあんまりしたくないんですね。柔軟性をもってやってみて、素直に楽しいなとか、もっと知りたいなとか、頑張りたいなと思うことを見つける年にしたいです。

otoCoto

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