「2019年のノーベル化学賞は『( )電池』の開発を通じて、世界の人々の生活を大きく変え、ITの普及による産業の発展に貢献した日本の吉野彰氏ら3人に授与されることが発表されました」
これは、大手進学塾「サピックス」の社会科の玉井滋雄先生が作成した、カッコにあてはまる語を答える問題。
中学受験を目指す小学生や、一般教養を高めたい大人も使える知識です。
問題の正解は「リチウムイオン」電池。
1990年代に製品化されたリチウムイオン電池だが、今では暮らしに欠かせないものとなっている。
皆さんが持っているスマートフォンもリチウムイオン電池が使われていると思うが、携帯の電池といえば、充電。
携帯の充電というのは、どのぐらいのタイミングで行っているだろうか。
電池がまだ残っていても、そこから充電することができるのは、当たり前のようなことだが、継ぎ足し充電といって、これができるのもリチウムイオン電池ならでは。
リチウムイオン電池が登場する前の充電型電池の中には、使い切らないうちに充電を繰り返していくと、だんだん使用できる時間が減ってしまうものがあった。
つまり、すぐに充電切れ、電池切れになってしまう。
その点、このリチウムイオン電池は継ぎ足し充電をしても、使用時間がほとんど減らないという利点がある。
しかも、小型で軽量。
このため、携帯電話やノートパソコン、スマートフォンなどに使われるようになり、さらに、このことがIT産業の発展を促して、生活を大きく変えたということになる。
特に顕著なのが、発展途上国。
インターネットの環境が整うことで、世界中とつながるようになった。
情報格差が縮まるということで、SNSなどで人がつながることで、例えばデモの呼びかけであるとか、独裁政権を倒すなどといったことも起こった。
本当に人々の距離が縮まった、地球の距離感が縮まったと感じることが多い。
また、高出力という長所を生かして、ハイブリッドカーや電気自動車でも使われ始めている。
地球温暖化が深刻化している。
こうしたエコカーの需要が高まっているため、リチウムイオン電池の存在感はますます高まっているという。
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