「バレンタイン商戦」についてコンパクトに解説します。
バレンタインといえば、好きな人に愛の告白を込めてチョコをあげる行事だったが、チョコの役割も時代とともに変わってきている。
1970年代から1980年代は、好きな人に“本命チョコ”。
90年代になると、職場の人などに感謝を込めて“義理チョコ”。
2000年代前半には、女子高生を中心に、友達間で送りあう“友チョコ”がブームになってきた。
ところが、覚えている方も多いかもしれないこのポスター、ゴディバの「義理チョコやめよう」。
義理チョコをやめる傾向が広がり、ここ2~3年は市場規模も確かに減少傾向だった。
ただ、2020年は1,310億円と、売り上げのアップが見込まれている。
その理由は、“自分チョコ”。
2019年の調査によると「本命チョコを買う予定にしている」という人が35.6%、「自分用だ」という人が6割近くいて(58.2%)、大きく上回っている。
そして、これはわかりやすく値段にも表れている。
目的別予算、本命チョコでもなく義理チョコでもなく友チョコでもなく、自分チョコに一番お金をかけるという人が多い。
こんなニーズに応える動きもある。
東京・銀座の百貨店では、ショコラティエを招いたワークショップを開いていた。
チョコ作りの体験ができる場を設けていた。
参加者の中には親子連れもいるなど、思いを寄せる人にチョコレートを作るのとは違う趣になっている。
ちなみにこの百貨店、1人あたりのチョコ購入予算額の平均が、なんと1万2,000円で、その8割が自分用だといい、いかに自分にお金をかけるようになっているか。
やはり、チョコも相手に思いを伝える手段ではなく、チョコそのものを楽しむ目的となっている。
そして、こんなイベントも開かれている。
世界最大級のチョコレートの祭典、サロン・デュ・ショコラ。
会場に入るのにチケットの購入が必要だが、中に入ると、ここでしか買えない日本初上陸のブランドやチョコのオブジェがあったり、ショコラティエからサインをもらえたりと、お金を払ってでも入場したいイベントになっている。
(2020/02/12)
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