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3日のテーマは、「羽田 新ルート」。

2日夕方、羽田空港の新ルートで、実際の旅客機を使った初の試験飛行が行われた。

渋谷付近では上空およそ700メートル、羽田空港に近い大井町付近ではおよそ340メートルを旅客機が通過した。

この新ルートは、日本の首都の真上を通過するというのが最大の特徴。

これまで現行ルートでは、着陸の場合、千葉県の上空を通過して羽田空港に向かっている。

一方、新ルートでは、埼玉県から東京の上空を経て、そして羽田空港へと向かっていく。

このルートを飛行するのは、南風で見通しがよい日という条件付きとなっている。

今回、なぜ新ルートを導入するのか。

それは、国際線の発着便を増やしたいというのが一番の狙い。

外国人観光客が増えていて、さらに2020年の夏は、東京オリンピック・パラリンピックがある。

そのため、発着便を増やしたい。

新ルートを導入すれば、滑走路をより効率的に運用することが可能になるため、国際線の発着便の数は現在6万回なのが、9万9,000回と、およそ1.7倍まで増やせるという。

そして、経済波及効果も6,503億円ほど、また、雇用も4万7000人増やせるという見通し。

経済効果がすごいということだが、一番の懸念は、やはり騒音。

国交省でも、いくつかの騒音対策を示している。

例えば、「着陸態勢に入る前の高度をより高くする」、「着陸地点を海側に移す」、「着陸時の降下角度をこれまでより少し急にする」。

こういったことから、高度を引き上げて、音の影響を少なくしていこうという試み。

また、ほかの騒音対策もある。

エンジン音が比較的静かな低騒音機については、羽田空港が着陸料を安くして、各社にその導入を促していく。

また、飛行時間帯も限られる。

新ルートは、南風で国際線の発着頻度が特に集中する時間帯に限って運用する。

それ以外の時間帯は、これまでと同じルートを使っていくという。

さらには、今回のテストで、新ルートのもとに新たに18カ所の騒音測定器の設置をして、この結果については、ウェブサイトでしっかりと公表していくという予定。

飛行試験は、3日も実施されているが、3月11日までに大体、全部で7回ほど実施する予定で、そして、いよいよ3月29日には本格的に運用が開始される予定となっている。

中室牧子氏(教育経済学者・慶応大総合政策学部教授)「経済効果が大きいということで、皆さんの期待も大変大きいんじゃないかと思うんですね。一方で、わたしの勤務先の大学のキャンパスは、米軍厚木基地の近くにありまして、航空機の騒音って結構大きいんですよね。ですので、やっぱり近隣にお住まいの皆さまにとって納得できるような対策をきちっとしていただけたらありがたいなと思いますね」

フジテレビ・風間晋解説委員「僕が一番気になるのは、経済効果っていうと楽観的に作られていることが多いので、『本当にそうか?』と思っちゃうんですよね」

(2020/02/03)

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