愛知県愛西市の女性が、新型コロナワクチンを接種後に容体が急変し、死亡しました。女性は、医師から急性アレルギー反応、いわゆるアナフィラキシーショックに対する適切な処置を受けていなかったことがわかりました。
「何があったか全然わからなくて…朝まで元気にいた」と話す、愛知県愛西市の飯岡英治さん(45)。妻の綾乃さん(42)が今月5日、集団接種会場でオミクロン株のBA.5に対応したワクチンを接種後、容体が急変し、死亡しました。
愛西市によりますと、綾乃さんは5日午後2時すぎ、集団接種会場の佐織総合福祉センターでワクチンを接種した5分後、せき込んだり、嘔吐をしたりして息苦しさを訴え、呼吸困難となりました。血中酸素飽和濃度も低下していたため、接種から35分後に救急車で搬送しましたが、搬送時にはすでに心肺停止となっていました。
そして接種から1時間40分後、死亡が確認されました。死因は、急性心不全で、ワクチン接種との因果関係は分かっていないということです。夫の英治さんは市から説明を受けましたが、そこで疑問を持ったといいます。
「これが、そこの接種会場に用意されていた薬。エピペンは、アナフィラキシーショックの補助薬で、息苦しくなったときにすぐ打てば、1分1秒を争える薬で服の上からふとももにあてつけるだけでいい」「1秒でも早く打つ薬をなぜ打たないかったのか、ちょっと違うかもと打っておけば、なんとかなったかもしれない」(英治さん)
医師は、ワクチン接種後に起こりうる急性のアレルギー反応「アナフィラキシー」への対処法である、「アドレナリン」注射などの適切な処置をしていませんでした。愛西市の担当者によりますと、綾乃さんが血を吐いたことから、医師は肺の異常を疑ったといいます。
「肺における何かが起きたのではないかと(医師が)考えたことは伺っています。血の混じった内容物を吐いた」「エピペンを打つ間もなく意識がなくなり即アドレナリンを注射で救命することを真っ先に考えた上での判断です」(愛西市健康推進課 服部芳樹課長)
一方、愛知県医師会は「重大な事案」として専門家委員会を立ち上げ、調査する方針です。日本救急医学会は、新型コロナワクチンの接種後に呼吸困難やぐったりするなど複数の症状が出た場合は、アナフィラキシーを疑い、ためらわずに「アドレナリン」を注射するよう呼びかけています。
綾乃さんは糖尿病を患っていて、食事と薬で制御していました。しかし、新型コロナワクチンを接種した3回目までは、大きな副反応もなかったということです。突然、奪われた大切な家族。英治さんの悲しみが消えることはありません。
「笑い声が大きくて、家中を明るくしてくれる子だったんです」「綾乃みたいなことがないようにやっていってほしいと思っていたので、向こう(愛西市)が誠心誠意謝って、ここにきて綾乃に手を合わせて、ちゃんと謝罪してほしい」(英治さん)
(11月11日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
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