12歳以下の子ども向けSNSを運営・開発している企業で“働く”小学5年生の女の子がいます。肩書はCIO=Chief Imagination Officer「最高ソウゾウ責任者」という彼女の夢は世界に通用するSNSの開発です。彼女の働きぶりに密着しました。
「趣味はダントツで『弟と遊ぶこと』。今は電車をたくさんつなげたり一緒にしゃべることが一番楽しい」と語るのは、小学5年生の瑞希さん(10)です。8歳年下の弟が大好きという瑞希さんはさまざまなことに興味があるといいますが、いま彼女が力を入れているのが「子どものSNS利用」についてです。
彼女は12歳以下の子ども向けのSNSを運営している企業「4kiz(フォーキッズ)」の一員として4月から働いています。瑞希さんは7月に開かれた記者発表会で「今のSNSでは12歳以下の人は使っちゃいけないというルールがある。安全性も低いと思っている」と自身の思いを語りました。
瑞希さんは「自分の考えていることや作ったものをいろんな人に知ってもらいたいと思っているので、安全で自分の考えを発信できる場として4kizのSNSが必要だと私は思う」と語ります。そんな小学5年生の瑞希さんに会社から任された役職が、CIO=「最高ソウゾウ責任者」です。この役職は子どものアイデアや意見を反映させようと作られました。瑞希さんは試作版のSNSの会議にも参加し、次々とアイデアを出していきます。この日も「よかったのは平仮名で見やすかったところ」とした上で「マイページに、例えば『虫が好き』とか『得意なことは○○』みたいな簡単な自己紹介を作れるといいかなと思った」と発言しました。瑞希さんの指摘に対し、4kizの代表を務める本山勝寛さんは「プロフィールのところに自己紹介あった方がいいというのは確かにその通り。自分たちも気付いていなかったところ」と認め「子どもらしさを発揮してもらいたいと思うし、自分たち大人にないようなアイデアやチャレンジをどんどん出してもらいたい」と瑞希さんの活躍に期待しています。
夏休みに入った7月25日、瑞希さんが訪れたのは、CIOの仕事の一環として参加した「こども国会」です。こども国会では1年生から6年生の小学生が参加し、チームに分かれてそれぞれ政党名を決め、自分たちで公約を考えるなど、国会議員の仕事を体験するものです。ここでも瑞希さんは積極的に意見を出し、リーダーシップを発揮しました。瑞希さんは「自分が思っているのと違う世界や意見をたくさん聞けてよかった。今後、この経験を生かして頑張りたいと思う」と感想を語りました。
今後の目標について瑞希さんは「自分がいてよかったと思ってもらえるCIOはもちろんだけど、自分が考えたもので喜んでくれる人がいる。そんなCIO、人になりたい」と語り、「世界中の人に通用するようなSNSにしたいという新しい目標はある。今も変わらないのは、4kizを安心して安全で楽しいSNSにしたいと思っている」と夢を語ってくれました。
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