太平洋戦争末期の沖縄戦をテーマに、2人の官僚と沖縄の人々の苦悩を描いた映画「島守の塔」がきょうから兵庫県で公開されています。

映画「島守の塔」は太平洋戦争末期の沖縄を舞台に兵庫出身で沖縄県最後の官選知事・島田叡(しまだ・あきら)と、栃木出身で元沖縄県警察部長の荒井退造(あらい・たいぞう)の生き様を通し、命や平和の尊さを描いた作品です。

「島守の塔」はおととしにクランクインしましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて撮影が中断。
1年8カ月後にようやく撮影が再開され、沖縄本土復帰50年の節目の年に公開されることになりました。

島田役を萩原聖人さん、荒井役を村上淳さん、島田の世話役で県職員の「比嘉凛(ひが・りん)」役を吉岡里帆さんと香川京子さんが熱演しています。

萩原さん「島田知事のイメージがあると思うんですけど、それだけではない島田さんの人間ぽい部分、島田叡という人は知事としてはこうであったけども、人としてはどうだったんだろうとか、そういうことは映画の中で決して表現させることはないかもしれないですけども、それはすごくいろんなことをイメージしました」
「沖縄に行ってくれと言われて、二つ返事で行ってしまうんですけど、家族のことを考えなかった日はなかったはずですし、死にたいと思って行ったわけでもないですし、その島田さんの表と裏じゃないんですけど、そういうものっていうことを想像して演じることは、すごく僕は楽しいって言い方をしちゃうと変なんですけど、充実していました。

村上さん「もしかしたら本当に小さい石のような作品かもしれない。ただ、映画界や世界に一石を投じる作品にはなったなと思っているので、先人たちが平和というものを、たすきを渡し続けてくれているものを、我々が次 公開されるにあたって見ていただく観客の方々に、そのたすきやバトンをを渡せたらいいなと思っています」

そしてこの方からもメッセージが。
吉岡さん「キャッチ+をご覧のみなさまひがりん役を演じました吉岡里帆です。
その本当の情報を伝えたいのに伝えられなかったあの当時の人たちの思いとか、本当は勉強がしたいんだけどお国のために頑張るんだって戦った少年だったりとか、こうしたかったっていう思いがあった人たちの戦いでもあるので、こういうことがあったんだというのを伝えられるというのももちろん意義を感じています」

五十嵐監督「主人公というのはいわゆる沖縄のかたではないんですよね。つまり本土の神戸出身の方と宇都宮出身の方なんですよ。ということは本土の人たちが主人公ということで、ある意味共感できる部分というのはたくさんあると思うんですよね。
そこに凛という少女がトライアングルで役者を設定したというところがポイントで本土の人たちから見た沖縄戦というものが、非常に今までにはない映画になっていると思うので、そこはぜひ見ていただきたい」

映画「島守の塔」は kino cinéma神戸国際、MOVIXあまがさきで5日から。そして6日から元町映画館で上映されます。
命を懸けた2人の「島守」と沖縄の人々の物語。是非劇場でご覧ください。

【制作著作】サンテレビ
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